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September 30, 2024

鉄人の山、育みの渓

故郷大井川をはじめ、多くの渓流での釣りは本日が最終日。今年も3月からの7か月間で、数々の美しい渓魚と出逢うことができた。残り1週間となった先週火曜日は、来年の解禁に備えた確認のため、6月に行って以来の、大井川の馴染みの渓へ独り出かけてみた。
家を出たのが8時を過ぎ、時間帯通行止めの影響もあって、渓への到着は10時半を回る。爽やかに晴れた空の下、頭上が開けて明るい流れのポイントを、BHラッシーで打っていくも反応が無い。のんびりと30分ばかり遡行した頃、ようやく流れの芯の脇から、7寸越えグッドコンディションのイワナが出てくれた。しかしその後も反応は薄く、2尾の中型イワナを追加したところで、退渓点へたどり着く。そこの枝沢を、ちびイワナを釣りながら林道まで上がり、午後2時過ぎで終了とした。

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林道を歩いて下っていると、ザックを背負った男性が、背後から軽やかに追いついてきた。「釣れましたか」と話しかけられたので、車までの15分ほど、色々と楽しく会話させていただく。自分は釣りはやらないが、今日は地元の山をぐるりと歩いて来たとの事。そんなやりとりから、その人が富山湾から駿河湾までを、日本アルプス越えで何度も駆け抜けた、有名な「アルプスの鉄人」であることがわかってびっくり。とても明るく気さくな方で、握手にも応じてくれる。車に乗り込む間、先に歩いていた鉄人を追い越す際には、笑顔で手を振ってもくださった。ぱっとしなかった釣果に、もやもやと冴えない気分でいたところ、元気を分けていただいた思いがする、佳い一日になった。

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中1日置いた26日木曜日は、恥ずかしながら66歳の誕生日。山の神様がお祝いしてくれないかなぁという助平根性を抱いて、独り大井川を遡った。車窓から入る、朝のひんやりした空気を浴びながら、快調に車を走らせ、8時半に車止めゲートへ到着。自転車に乗り換えて少し走り、お気に入りの支流の入り口に着いた。そこには、先行者らしき自転車が一台置いてあったが、構わず入渓する。
Xga2024092603-448x336 空は晴れて風も穏やかな絶好の釣り日和。やや増水気味の流れからは、小指サイズの0歳児イワナが何尾も釣れてきてしまう。しかし、このサイズが沢山居てくれるということは、また来シーズンも期待できるという証し。美しい渓魚を育んでくれる流れに、感謝の念を抱いた。
しばらく釣り上がると段々とサイズアップし、ちょうど12時に、8寸オーバーの良型がロッドを曲げてくれ、ようやく満足する。

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午後は、もう一回り大きな魚を釣りたいなと思いつつ先に進んだが、暫くして先行していた餌釣り師に追いついてしまった。話しかけてみれば、大きいのは出なかったけれど、それなりに釣れたとのこと。もう少し先のポイントまでやって帰ると仰るので、登山道でう回して、そのポイントの上流側へ出させてもらった。
そしてぽつりぽつりと中型イワナを釣り、上部を樹が覆っている小さなプールに辿り着く。枝に引っかからないよう気を付けて、BHラッシーを落とすと、手前に少し流れてラインが止まった。魚信か?と思いアワセを入れてみると、ロッドがバットから曲がるような強烈なファイトが始まる。これはデカイ、バラシたくないと慎重になるも、少し強引に寄せて無事ランディング。ドキドキしながらメジャーを当ててみれば、33cmある。今シーズン、一度も出会えなかった尺イワナを、最終釣行でプレゼントしてくれた山の神様に、心から感謝した。

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そしてその50分後に、また幸運がやってきた。少し痩せ気味だったけれど、今度は32cmのイワナ。時間はまだ2時半と早かったけれど、この尺イワナをもって、今シーズンの閉幕とした。

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大井川よ、これからも美しい渓魚達をたくさん育んで、
また来年も楽しませておくれ!

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September 23, 2024

1年越しの約束の渓へ

2年前の9月に、お気に入りの大井川支流へ独り出かけた。
そこで一人の、ルアーフィッシャーマンの方と出逢った。
(2022年9月12日投稿)
その人Sさんとは、少しだけお話をしただけだったが、その後「ちびあまご」に何度かコメントをいただいた。
そして1年経った昨年の今頃、2024シーズンは是非渓へ御一緒しましょうとの約束をした。
更に1年が経過した先週水曜日に、1年越しとなったその約束を、遂に実現するチャンスがやってきた。

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午前8時に、林道ゲート前で現地集合する。2年ぶりの再会を懐かしみ、釣り支度を整えながら、釣行プランを確認。工事車両が走る林道を、自転車に乗ったり押したりして、1時間ちょっとで目指す支流の入渓点へ到着。自転車を置いたすぐ脇の堰堤下で、早速小型ながら3尾のイワナがBHラッシーに反応してくれた。これは良い日に当たったなぁと思いながら、Sさんのガイドで順調に釣り上がり、午前中に釣果は2桁へ乗る。正午を前にして、厳しい高巻が必要な滝に辿り着いたところで遡行を諦める。そこで一旦竿を収めて入渓点まで歩き戻り、改めて本流筋へ転戦した。

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川辺でランチ休憩を取り、食後自分は本流を、Sさんは別の支流へと分かれて再入渓。以前、尺イワナを釣ったことがある本流で、再び大物と出会えるかと期待したのだけれど、この日は残念ながら小型のみ。1時間ちょっとでSさんと合流すると、なんと支流で32cmのイワナをキャッチされたとのこと。やっぱり居るってことが確認出来て、次回の釣行にファイトが湧いた。

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そこから更に、自分が未踏の本流筋を1時間ばかりご案内いただき、楽しい釣りは午後3時前で終了とした。
Sさん、一日お付き合いいただきまして、大変ありがとうございました。素晴らしいお土産を頂戴した上、終始ガイドに徹していただき、心から感謝しております。来シーズンは、是非あの滝の上まで挑戦してみたいと思っていますので、また是非よろしくお願いいたし鱒!

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September 16, 2024

むんちゃんの再挑戦

9月に入って台風も一段落した先々週の事、東京の釣り友むんちゃんと連絡を取って、10日火曜日に山岳イワナへ再挑戦する計画を組んだ。当日は、釣り兄貴カズさんにご一緒いただき、前回と同じ道の駅で7時半にむんちゃんと合流。渓の車止めには8時半に到着し、天候が崩れるかもしれないという天気予報を気にしながら、3人で林道をのんびり30分歩いて入渓した。
狙うポイントは実績のある堰堤下。しかし、この夏に散々攻められてしまったのか釣果無し。そこから更に30分ほど歩いて、本命の区間へたどり着く。しばらくは反応があっても掛らずという状況だったが、多くの釣り人が見逃すような小さなポイントを狙ってもらうと、むんちゃんのドライフライに待望のイワナがヒットした。そこからは、ドライへの反応はぽつりぽつり。一方、自分のBHラッシーには反応が薄い。お昼までに2尾しか釣れず、午後は対岸へ渡って単独行動させてもらい、そこそこの釣果は得られた。午後3時を過ぎた所でゲームセットとしたが、むんちゃんも前回よりは釣果が上がり、ホッとしたようだ。結局天候も崩れず、快適に山岳釣行を愉しめたのは、本当にありがたかった。

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それにしても、この日も1万5千歩以上歩いたが、平地ではなくアップダウンが厳しい登山道と、大岩ゴロゴロの渓谷。普段そういった釣りはしていないだろうむんちゃんが、この区間を釣り歩き切り、更にはこの日のうちに長野県まで移動し、翌日・翌々日は川のブラウンを釣りに行くという。その体力とバイタリティには、あらためて感服した次第だ。

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中1日置いた木曜日は、再びカズさんにご一緒いただき、以前から気になっていた大井川の本流区間へ挑戦した。
9時過ぎに入渓点へ到着。幸い先行者の車は止まっていなかったが、支度を整え踏み跡を辿って河原に降りてみれば、釣り人の足跡が無数にある。でも、この区間なら魚はかなり居るはずだと期待して、目前に広がる美しい流れに、得意のBHラッシーをキャストしていった。
しかし、反応がない。カズさんのドライフライには、時折アタックがあるようだが、ヒットには持ち込めない。あっという間に正午を迎え、釣果はピックアップ時に偶然掛かって来たちびウグイ1尾のみ。そのまま進んでも、体力を消耗するだけと判断し、後ろ髪を引かれつつも一旦終了とした。
車に戻って10分ほど来た道を下り、お気に入りの支流へ転戦。林道を30分弱歩いて、小規模な枝沢に入る。すると、カズさんが1投目でちびイワナをヒット。よしよし、釣れるぞと思ったが・・・後が続かない。結局1時間半ほどやって、ちびイワナ2尾と出会うにとどまった。

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という事で、例年なら一番釣れるこの時期にしては寂しい釣行が続いている。そしていよいよあと2週間でシーズン終了を迎えるに至った。出撃チャンスは残り少ないが、何とか思い出に残る釣りをしたいものだ。

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September 09, 2024

ウエットウエーディング はじめました

いよいよ渓流釣りシーズン終盤の9月に突入。そんな先週は、長雨後の渓の落ち着きを見計らい、木曜日に独り南アルプス方面のイワナ谷へ向かった。
Xga2024072904-337x448 目的地到着は8時過ぎ。今回は、7月末に買い揃えたものの、なかなか出番が回って来なかったウエットウエーディングシステムを、初めて着用してみる。シューズはモンベルのサワートレッカー、ゲーターはリトルプレゼンツ。いつも使っているブーツフットタイプのウエーダーとの違いを、体感してみようと思った。
歩き始めての第一印象は、足首や膝が曲げやすく軽快。いつもより足取り軽く、休憩を挟みながら1時間弱歩いて入渓する。意を決して流れに足を浸してみれば・・・、水が冷たい。そして、靴の中がぐじゅぐじゅして、いまいち気持ちはよろしくない。しかし、ウエーディングを続けていくうちに、その感覚には少しずつ慣れていった。
肝心の魚の反応は、増水が治まったばかりという条件の影響なのか、ちょっと渋め。イワナは大場所からは出ず、浅く弛んだポイントや、岩の隙間のような小場所を丹念に叩いて、時折反応する程度。しかも、型が7寸前後と小ぶりだ。それでも、午前中に2桁釣果を達成し、新しく買った竿を試してみようという余裕が出た。
それは、Jointerの「Waterside18/21という小物用延べ竿。てんから用ではないが、たまたまYouTube動画で観て欲しくなり購入。1.8mと2.1mの2パターンで使用できるマルチレングス。振出し8本継で仕舞寸法32cm、重量30gというコンパクトさなので、今回タックルパックに忍ばせてきた。その竿を活かす場所は、ここに魚が居るのかと思うような、本当に一跨ぎの細。そこにてんから毛鉤を投じてみれば、すぐに小振りなイワナがヒットしたが、小物竿とあって胴から曲がり、魚の引きを堪能できる。今回はイワナを3尾釣ったにとどまったが、次回はアマゴでも入魂したいと思っている。

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ということで、今回の釣りは2つのニューアイテムを試してみた。
ウエットウエーディングは歩きやすく、確かに暑い時期には快適だと実感した。しかし、いつものヒップブーツに比べれば、脱ぎ履きに時間が掛かるし、使用後の手入れもひと手間かかる。長く水に浸かっていると、足がふやけて足全体に冷えも来るし、それが一因なのか、帰りには足攣りに難儀した。また、藪を歩いた時、沢山の草の実がゲーターに付いてきて、後で取り除くのに一苦労。なので、今後も主力はヒップブーツになりそう、というのが結論というところだ。
ジョインターのロッドは、これまでに2本買った2.1mの竿より、愛らしく楽しい。しかし、さすがに8寸以上の魚とやりとりするのはスリルがあり過ぎる。なので、小場所での小物限定として愛用していきたいと思っている。

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※ 写真では7本継のように見えますが、穂先の回転トップ
が太いために、
2番から引き抜くことができませんでした。

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September 02, 2024

雨雲の隙間を衝いて

8月22日に発生した台風10号は、当初8月27日頃に日本列島を直撃すると予測されていた。しかし沖縄から九州付近で何日も停滞し、遠く離れた静岡県下の、長雨の原因となってしまった。
そんな先週は、Webの天気サイトを毎日チェックして、木曜日だったら山梨県北まで行けば、雨の影響も少なそうだと判断。朝6時に家を出て、富士川沿いを独り北上した。
2024082906-448x337 目当ての渓へ9時過ぎに到着。幸いというか当然のように先行者は居らず、BHラッシーに黒ハックルを巻いたパターンでポイントを撃って行く。するとすぐに、小さなイワナが喰いついてきてくれた。そして4時間半ほどの遡行で、釣果は小型イワナばかりながらダブル2桁を達成。雨が本格的に落ち始めた1時半過ぎで終了とした。

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という事で、長雨の雲の隙間を衝いて、美しい渓で何とか渓魚と逢うことができ、片道3時間以上かけたのは無駄じゃなかったなぁと一人納得する。しかしながら、帰りの高速道路や国1バイパスでは、ワイパーフル回転でも前を走る車が見えないほどの豪雨に遭遇し、轍にできた水たまりにハンドルを取られかけたりと怖い思いもした。結果的には無事に帰れたけれど、現地の状況だけではなく、経路の交通状況の見極めも大切だと、改めて思う釣行だった。

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